ご質問ありがとうございます。AQUA CUBE高畑です。
気のせいでもあり、事実でもあり…というところですね。
僕が推奨して教えている『ハリウッド式発声法』もそうですが、昔に比べて新しい発声、歌唱テクニックもどんどん開発され、特にロックやポップスの分野においては、昔よりも発声や歌唱自体のレベルが確実に上がっている面はあります。
ただ、それと同時にレコーディングや編集技術などが飛躍的に進歩しているので、下手な歌でも綺麗に録れて、ピッチ(音程)やリズムも完璧に修正できてしまう時代にもなりました。ある程度であればリアルタイムにピッチ補正することも可能ですし、リップシンク(いわゆる口パク)と生歌を巧みに切り替えてライブで歌うようなことも現代では可能です。
そんなわけで、昔なら、歌手としてプロになるのに最低限求められるもの(ある程度正確なピッチであったり、リズムであったり、発声であったり…)のレベルが高かったのが、テクノロジーのおかげでボトムラインが下がってしまったがために、たとえばキャラが面白かったり、声が特徴的だったり、ビジュアルが良かったり…という歌以外の要素で商品力が高ければ、歌はそこそこのレベルでもプロとしてデビューできてしまうようにはなってしまってると思います。なので、歌の下手なプロ(本来そんなものはあってはいけないのですが)が生まれやすい状況にはなっていますね。
あと、市場的にも、カラオケで歌いやすい曲、誰もがちょっと頑張ればそれなりのレベルで歌える曲が売れやすい傾向…特に90年代あたりはそうでしたが…もあるので、超人的に上手いレベルのシンガーを市場が求めていないことも、現代の歌手にあまり上手い人がいないとお感じなる原因の一つかもしれないですね。
僕はまだ、どんなシンガーにもそれなりのレベルを求める方針でディレクション、プロデュースしていますが、それでも、「上手ければいいってもんじゃない」ということも音楽商品、商用音源を作る上ではとても重要に考えています。
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