[Q&A]CDの音楽の音量が昔にくらべ今はやたらと大きい気がするのですが何故でしょう?[Q&A]

ご質問ありがとうございます。AQUA CUBE高畑です。

デジタルのマスタリングツール(ソフト、ハード)の発達のおかげでしょうね。

マスタリング時にいわゆる「音圧を上げる」という作業が行われるわけですが、どういうことかを簡単に説明すると、1曲の中で音の小さい部分は大きく、大きい部分は小さくして、1曲通してのレベルの変動を極力抑えた上で、全体のレベルを最大限に上げる。この「最大限に上げる」時にデジタルの音量レベルの最大値である0dbを超える部分を強制的に0dbに抑えつけるわけです。

↓の画像は、同じ曲のマスタリング前とマスタリング後の波形ですが、下のマスタリング後の波形は、まるで海苔のように、1曲を通して最大レベルに張り付いたままになってます。なお余談ですが、この曲に関しては、マスタリング時にアウトロのフェードアウト処理も行なっています。後ろの方でレベルが減衰していってるのはそのためです。

この「レベルを最大にする」作業をマキシマイズと言いますが、アナログ時代には、ここまで天井に張り付くようなマキシマイズは難しかったと思います。僕は、デジタルマキシマイザーのない時代の現場のことは知りませんが、おそらくそうなんじゃないかな…と。

そんな「ツールの発達」とともに、業界の「音圧競争」が始まったわけです。ラジオやテレビでオンエアされた時に、より「大きな音」で鳴る方が目立ちますからね。昔の音源に比べて、最近のものがやたら音が大きいのはそのせいです。

ただ、このマキシマイズ、波形をご覧になってもお分かりかと思いますが、やりすぎると曲がすごく平坦になって、ともすれば楽曲の微妙なニュアンスが失われてしまいます。そこをできるだけ自然に聞こえるように音圧を上げるのもマスタリングエンジニアの腕の見せ所ではあるんですが、そんなこともあって、一時期よりは音圧競争も近年では沈静化の方向になってきてはいますね。


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